この森を探索し始めてから早三時間……。我々は未だ目標のツチノコを見つけることが出来ずにいる。だが、しかし! 絶望の淵に立たされてからが本番なのだあ! って、ちょっとちょっと! なあに、その表情は。もしかして、もう疲れちゃった? この軟弱ものめぇ……。まったく、だらしがないんだから。そんなんじゃ、いつまで経ってもツチノコは捕まえられないよ?
ん? なんで急にツチノコ探しを始めたのかって? うーん、スカイフィッシュとかナトゥーとかでも良かったんだけどさ。やっぱり、ツチノコって一番可愛いじゃん? え、うん。可愛いよ。うんそう、ツチノコ。キミはツチノコに対して可愛いとか思った事ないの?
まあ、そんなことはどうでもいいじゃない! UMAを追い求めるのは人類のサガ! そしてロマンなわけよ! ついでに懸賞金もガッポリ出るし……。いやいや、もちろんお金目当てで探してるわけじゃないよ。私は純粋な気持ちでツチノコに会いたくて、こうしてキミを誘って山に来たんだから。
ほらほら、そんな嫌そうな顔してないで。もっと奥の方まで進まなくちゃ。未確認生物が、たかだか歩いて三時間ぐらいの場所に住んでるわけないでしょ。ってことはよ? 未開の地にこそ、UMAが生息してる可能性が高いってわけ。
噂によると、ツチノコって日本酒が好きらしいよ。爬虫類のくせに酒を嗜むなんて……。さすがは未確認生命体! 私たちには到底理解できない謎属性を持ってるみたいね。
……はっ! あそこで何かガサゴソしてる! あの膨れた胴体、そして蛇によく似た鱗……。ツ、ツチノコ見つけたぁー!
よおし、キミはそこからツチノコの動きを見張ってて。捕獲はこの私、自らで行う!
あっ、ちょっと……。さすがはツチノコ! めちゃくちゃ素早い!
ええい、ここまで来て諦められるかァっ! このっ、逃げるなあ!
あとちょっと……。くそっ……。今だぁーっ!
やったあ! ほら見て、ようやく念願のツチノコ、捕まえたぁー!
さてさて、まずはじっくり観察して未確認生物の実態をこの私が解き明かしてやろうじゃないの。ええと、裏側ってどうなってるのかな。……って、あれ? なんかコイツ、めちゃくちゃ小さい脚が四本生えてるんだけど。おかしいな、身体のフォルムとかはそっくりなんだけどなあ。えっ、これトカゲなの? アオジタトカゲ?
なにそれ、紛らわしい! 折角、山の中を三時間も歩き回ったっていうのに、とんだぬか喜びじゃないの……!
なに? ツチノコなんてやっぱりいないんじゃないかって?
ううっ、失意のどん底にいる私によくもそんな追い打ちをかけるような発言を容赦なく……。えーん! 諦めきれないよ~! えーん、えーん!
……ぐすっ、でも私はまだ諦めないから。さっきも言ったでしょ、たかだか三時間歩いたぐらいじゃUMAなんて見つかるはずないって。私たちの冒険はこれから! 待ってろよ、ツチノコ!
いつか必ず捕まえて、今度こそ謎を解いてやるんだから~! ついでに懸賞金も私が手に入れてやる~!